B型肝炎訴訟とは?
かつて、国が実施していた集団予防接種では、1本の注射器が使い回されていました。国はその危険性を知りながら何もしませんでした。そのため、多くの方がB型肝炎ウイルスに感染するという事態が生じました。
「B型肝炎ウイルスに感染したのは、子供のころに受けた集団予防接種が原因なので、国は責任を取るべきだ」と訴え、5名の患者が1989年(平成元年)に初めて札幌で裁判を起こしました。裁判は長期化し、2006年(平成18年)、ようやく最高裁判所が被害患者の主張を認め、国に対して賠償を命じる判決を下しました。集団予防接種が原因でB型肝炎ウイルスに感染した患者は、全国で40万人以上いると言われていますが、国は裁判を起こした5名以外の被害者に対する救済をしませんでした。
そこで、国に集団予防接種で被害を受けた患者全体を救済してもらうため、2008年(平成20年)、全国各地の裁判所で国に対する責任を求めて裁判が始まりました。新潟でも、2008年(平成20年)12月、4名の原告が国を相手に救済を求めて新潟地方裁判所に提訴しました。
裁判と並行して、弁護団・原告団は全体的な解決を求め、永田町に何度も足を運び、全国各地でも集会を開催し、問題解決のための運動を続けたのです。
そして、2010年(平成22年)1月、札幌地方裁判所で和解勧告があり、2011年(平成23年)6月28日、国と全国B型肝炎訴訟原告団・弁護団は「基本合意」を結ぶことができました。これにより、集団予防接種が原因でB型肝炎に感染した被害患者全体の救済の枠組みが示され、多くの患者が救済を受けることが可能になり、現在は、基本合意に基づいた救済を受けるため、全国各地の裁判所で個別の手続きを進めています。